“開催ありき”のIOCバッハ会長訪日 海外メディアが酷評
来夏の東京五輪開催に向け来日した国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長の動向が注目されている。
17日は国立競技場などを視察した。16日は、菅首相や小池都知事、大会組織委員会の森会長と会談。気になるのは、「バッハ訪日」を巡る国内外メディアの温度差だ。国内大手の大半は「連携確認」「ワクチン、IOCがコスト負担」とヨイショ見出しが躍ったが、海外メディアはバッサリ。酷評しまくっている。
■森会長を「裏金疑惑」で追及
英ロイター通信は、以前からくすぶる東京五輪招致時の「裏金疑惑」を報道。2013年の招致成功までに、招致委が元電通幹部に約9億円を支払った問題について、16日の会見で「IOC規則違反はなかった」とバッハの見解を引き出したことを報じた。森が会長を務める非営利団体に招致委から約1億4000万円が支払われていた一件についても、会見で直接追及。「私はセンター(非営利団体)の財政処理に直接関与していない」という森の“逃げの答弁”を紹介している。
さらに、都庁前で行われた五輪中止を訴える抗議デモについても報道。〈OLYMPICS KILL THE POOR(オリンピックは貧しい人々を殺す)〉と書かれた横断幕を掲げる人の動画まで公開している。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは電子版(16日)で〈東京五輪、米選手団はワクチン当てにせず〉との見出しで報じた。ワクチン開発が進んでいるが、参加者全員に接種する時間がないと指摘。米オリパラ委員会の最高医療責任者の「オリンピックとパラリンピックがやってくる頃にワクチン接種を受けている人はおそらく世界のほんの一部」「(東京大会は)ワクチン接種なき大会」とのコメントを紹介した。