初V大栄翔「親孝行できた」と笑顔 大関昇進の現実味と課題
「夢がかなったようなもの。うれしい思いしかない」
初場所を13勝2敗で制した大栄翔(27)が、一夜明け会見で万感の思いを語った。
母子家庭で育ち、親に負担をかけないために角界入りしただけに、「親孝行ができた」と頬を緩ませたのも納得。さらに「積み重ねた稽古のおかげ」と謙虚に語った。
当然、期待されるのが大関への昇進だ。来場所は昨年9月以来となる関脇復帰が濃厚。先場所も10勝と2ケタ勝利を手にしており、大関候補に躍り出た。
大関昇進の目安とされる「3場所33勝」はあくまで三役での成績。平幕での直近23勝は本来なら対象にならないが、優勝となれば話は別だ。
2018年に大関になった栃ノ心は、その年の1月場所で平幕優勝。その後、2場所続けて関脇で好成績を収めて昇進した。関脇復帰が濃厚な大栄翔も今場所が大関とりの起点としてカウントされることになる可能性が高い。
問題は安定して勝てるかどうか、だ。大栄翔が信条とする押し相撲は、安定感に欠けると言われている。体調にも大きく左右され、好不調の波が激しい。先場所優勝した貴景勝が今場所、初日から4連敗したように、ひとつ歯車が狂えばズタズタになるリスクをはらむ。