落合博満監督は性格が強過すぎる谷繁元信を買っていた
2004年から8年間、中日・落合政権を支えた谷繁元信は、技術力の高い名捕手だった。
配球面に性格が出た。谷繁は一度抑えても、次はマークしてくるだろうとさらに用心する。巨人・小林誠司はここで打ち取れたから、また同じ攻めでいいだろうと考えてしまうところがあった。
■筑波大の大学院で研究対象
私はヤクルトの現役時代、野村克也監督に捕手から外野に転向させられた苦い思い出がある。勉強し直したいと思い、中日のコーチ時代、オフ期間中に筑波大の大学院に通い、捕手の研究を行った。その後、BCリーグ群馬の監督や巨人でバッテリーコーチを務めるうえで、谷繁の技術は参考になった。
しかし、性格が強過ぎるため、投手と衝突することがあった。捕手は投手に寄り添うタイプが多いが、「それは違うだろ」とはっきり言う。良く言えばリーダーシップがあり、悪く言えば強引。口調がきつく、指示通りに投げられない投手にキレることもあった。捕手コーチの私はこう諭したことがある。