格下ペアとの準決勝前夜はプレッシャーから呼吸困難に陥った
デンマーク組には勢いがありましたが、この試合は勝敗を抜きにしてゲームを楽しもうと2人で臨んだのが良かったのかもしれません。これまで1勝しかしていなかった相手にストレート勝ちを収めたのです。
■「メダル取らなきゃいけない」
次の準決勝の相手は、中国ペアの失格によって繰り上がったカナダでした。
世界ランク27位、1次リーグは3戦全敗。勝って当然の相手だけに、周囲の人やマスコミから「もうメダルは取れたようなものですね」と言われ、私も「取らなきゃいけない。いや、ここまで来たら取るべきだ」と置かれた状況は理解していました。
現地にいても日本中の期待が高まっているのが伝わってきました。準決勝進出が決まると、それまで3000人程度だったツイッターのフォロワー数が2万後半にまで飛躍的に伸びたのです。
タナボタで勝ち上がってきた格下相手に負けるわけにはいかないというプレッシャーと周囲の期待の高さを感じ取り、一気に緊張はピークに達し、準決勝前夜は呼吸困難に陥るほどでした。
本来なら楽に勝てるはずの相手との試合で、これまで経験したことのない緊張感に襲われました。 (つづく)