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藤井瑞希バトミントン選手

1988年、熊本県出身。青森山田高3年時に1学年後輩の垣岩令佳とダブルスを組み、インターハイ優勝。シングルスと団体も制し、25年ぶりの3冠達成という快挙を果たした。垣岩と出場した2012年のロンドン五輪女子ダブルスで銀メダルを獲得。日本バドミントン史上初となる表彰台に立ち、「フジカキ」として一躍脚光を浴びた。19年に引退。東京トリップ所属。

準決勝は格下のカナダペアに苦戦「ヤバい。緊張してミスしてる」と弱音を…

公開日: 更新日:

 後がないファイナルゲームを前に、令佳には「ヤバい。めちゃくちゃ緊張してミスしてる。本当にごめん」と正直に打ち明けました。

 私のミスもあって試合のリズムがつくれず、令佳の足を引っ張ってしまい、「もうイヤだ。逃げたい。逃げたい」と弱音まで吐きました。極度の緊張から表情がこわばっている私を、令佳は「先輩ならできるから、大丈夫」と励ましてくれたのですが、パートナーも内心は不安でたまらなかったそうです。

 令佳は後になって「あの時、先輩がヤバいなんて言うから、大丈夫と声をかけたけど、本当にどうしようと思った。あんなこと、先輩が言ったことなかったから」と笑っていました。

 どちらか一人が悪ければ、もう片方がカバーできるのが私たちの強みでした。これまで何度も助け合ってきました。最後のセットは私が頼りにならないと思ったのでしょう。令佳は私をリラックスさせようと、いつも以上に笑顔で声をかけてくれました。パートナーが引っ張ってくれるので、ファイナルゲームはとにかくつまらないミスだけはしないように心掛けました。中盤で引き離して21―13で最終ゲームを奪って、決勝進出を決めました。

 この時点で、銀メダル以上が確定していたので、すでに肩の荷が下りたような気になっていました。 =つづく

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