著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

びわ湖に続き福岡国際マラソンにも幕…日本陸連の財源“標的”が大衆レースという愚

公開日: 更新日:

 石原慎太郎は都知事時代にパンダ不要論を説いた。中国嫌いでも構わないが、パンダは戦中派のおばあちゃんと幼稚園の孫をつなぐコミュニケーションツールだ。一瞬でも世代を超え共に心ときめかす対象が多くないことを、政治家は知らない。

 我が国で老若男女が興奮を共有できるスポーツといえば野球、相撲、マラソンだろう。スリーバント失敗の途端にため息をつき、マラソン中継を2時間じっと見続けるのは日本人くらいなのだ。

 その“宝”のひとつ、福岡国際マラソンが75回の歴史に幕を下ろした。2月にびわ湖毎日も閉幕。お家芸の「ツール」を消した陸連の責任は重い。

■いいとこどり

 日本のマラソンは戦後に地位を得た。金栗四三は「マラソンの父」と言われるが、大日本体育協会会長だった岸清一が学生に「金栗の真似をしちゃいけない」と語った記録が残っている。ロードレースは労働者階級のもので、学生インテリ層の陸上競技とは一線を画していた。金栗が「マラソンの父」たるのは、全国マラソン連盟を通じて各地に日本独特のマラソン大会や駅伝を広めながら復興を後押しした戦後のことで、日本陸連は関係なかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇