「福岡国際マラソン」75年の歴史に幕…スポンサー離れ止まず、次にヤバい大会は?
世界陸連から「陸上世界遺産」に認定された権威ある大会、福岡国際マラソンが75回で幕を閉じたが、締まらない最終回となった。
主催者(朝日新聞、テレビ朝日など)は日本記録(2時間4分56秒)に近い記録で大会を盛り上げたかったのだろう。30キロまで先導するペースメーカー(PM)に2時間5分11秒でゴールできるペース(1キロ2分58秒)を指示。ところが、優勝したのはケニア出身のM・ギザエで記録は2時間7分51秒。日本人1位の細谷恭平も2時間8分16秒に終わった。優勝候補に挙げられていた元日本記録保持者の設楽悠太は20キロ地点で棄権した。
近年、国内の主要大会は次々に姿を消している。2014年横浜国際女子、19年さいたま国際、76回の歴史を持つびわ湖毎日も来年からは市民参加の大阪マラソンと統合する。いずれも、世界陸上や五輪の代表選考会を兼ねるビッグレースだった。
「国内の主要大会は新聞社が主催し、選手育成に貢献してきたのは事実だが、今は数字(テレビ視聴率)が取れずスポンサーが離れていき、財政難に陥っている。参加資格が厳しいエリート大会を新聞社がリードする時代ではなくなった。07年設立の東京マラソンは、フルマラソンだけで3万7000人以上が参加。主催は東京マラソン財団で、読売、産経、東京新聞などは共催です。海外で大人気のロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティーなども、みんな市民参加型です」(放送関係者)