著者のコラム一覧
西牟田靖ジャーナリスト、ノンフィクション作家

1970年、大阪府生まれ。国境や家族などをテーマに執筆。著書に『ニッポンの国境』『本で床は抜けるのか』『わが子に会えない』など。

大阪工大高(当時)野上友一監督 昭和天皇が崩御で幻となったラグビー決勝戦【前編】

公開日: 更新日:

 もう一つは、エースの佐野に対する荒川先生の応援です。佐野はかかとを痛めていて、調子が今ひとつ出てなかったんです。

 ベンチで私の横に座っている荒川先生が、グラウンドでプレイしている佐野には聞こえないがベンチで呟くように、「足痛いけど、もうちょっとやから、佐野、頑張れ」とひとりごとのようにグランドを見つめておられました。

 ーー荒川先生がいかに選手を信頼していたのか。そのことが伝わってくるエピソードですね。それで決勝に進むわけですけど、決勝で茗渓学園に当たるってことが決まったときはどんな印象だったんですか?

 茗渓は横横へ展開していくラグビー。スペースを探して走り込んだり、間の人を飛ばして放る長いパスを放ったり、短いパスを放ったり。バックスでぐちゃぐちゃやったり、フォワードがパスしたりキックしたり。そういった、当時にしてみたら真新しい戦術をやっていたんです。帰国子女の選手がいたりしたので、彼らから聞いたのか。真相はわかりませんが、そういうプレイをごく自然な感じで取り入れていましたね。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…