<17>五輪開会式の悲喜こもごも 皇帝プルシェンコは「塩対応」で怖かった
初対面の海外選手に写真を頼める雰囲気はスポーツの祭典ならでは。そんなお祭り気分も束の間、トリノでは私も含めて日本代表はメダルがまったく取れず、空気は一転、お通夜ムードになった。私は500メートルで4位、フィギュアの村主章枝ちゃんも4位。女子モーグルの上村愛子ちゃんは5位、スキージャンプ団体は6位と、あと一歩メダルに届かなかった。
シーンと静まり返る選手村。そんな状況の中、大会終盤で荒川静香ちゃんが金メダルを取り、自分がメダルを取ったくらいうれしくて、ホッとしたのを覚えている。
10年バンクーバー五輪は旗手を務めたので、開会式にも出席。当初は旗手をやる予定ではなかった。閉会式で旗手を務めたフィギュアの浅田真央ちゃんは「競技に集中したい」と断り、上村愛子ちゃんも断り、女子カーリングの選手も断り……もはや自分が何番手だったかは分からないが、私にお声がかかった。
「誰もいないならやりますよ!」と立候補。ものの数秒で決まったのを思い出す。
やりたいと思ったことは躊躇せず手を挙げる。それはアスリートだけでなく、誰にでも言えること。チャンスを逃さないことを学んだ。当日は世界各国の国旗の中で一番目立つように日の丸を掲げ、強さをアピールした。北京五輪の開会式はハイテク技術を駆使した演出らしいが、どんなコンセプトでくるのか楽しみだ。ガンバレ日本!