著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大リーグの今後を占う今季の集客力…NBAとNFLは上回るも環境は依然として厳しい

公開日: 更新日:

 19年以来3年ぶりに入場制限なしに開幕戦を迎えられたことは、昨年12月に始まった労使対立で公式戦の開始日を延期した大リーグにとって、観客や視聴者の興味をつなぎ留めるためには重要であった。特にApple TV+との間で毎週金曜日の試合を実況配信する契約を締結した大リーグ機構にとって、最大の商品である公式戦の実施は、新たな収益源の確保という点からも望ましい。

 満を持して22年のシーズンが始まったとはいえ、しかし、大リーグを取り巻く環境は依然として厳しい。

■趣味の多様化とウィズコロナ

「コロナ禍」以前の19年は、過去5年間に比べて1試合当たりの来場者数が約2000人減少し、リーグ全体の来場者数も約6850万人と7000万人の大台を下回ったままだった。

 18-19年シーズンのNBAの約2200万人、入場制限のなかった21年のNFLの約1800万人の合計を上回っているのは事実だ。だが、趣味の多様化が進む現在、07年に世界のプロスポーツ史上最多の約7948万人を集客した力を取り戻すことは容易ではない。それだけに「ウィズコロナ」を模索する現在の米国社会において、どれだけの観客が球場に足を運ぶか、22年は大リーグの今後を占う上でも重要な一年となる。

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