巨人菅野6回3失点で4敗目…“軟投派”へのモデルチェンジで「得るもの・失うもの」
「この日は良くなかったですね。変化球を引っ掛けたり、狙ったところにいっていなかった。ただ、春先の最悪の状態からは脱しつつある。これまでは上半身が突っ込んで腕が遅れて出てきていたため、好調時より体の開きが早くなり、球が抜けていた。シュート回転の球が目立ち、それをことごとく痛打された。それが、ここ何試合かは軸右の右足に体重が乗り、リリースまでの『間』が取れるようになり、シュート回転の球が減ってきた。直球は140キロ台前半が多く、もう150キロは出なくても、投球フォームを修正してシュート回転の甘い直球を減らすだけでも、だいぶ違うということです」
球速は衰えても変化球を駆使して試合は作る。最多奪三振のタイトルを2度獲得したこれまでのイメージからモデルチェンジを図っているが、失うものもある。20年は大車輪の活躍で14勝2敗、防御率1.97の好成績を残し、最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。その年のオフに球団にポスティング移籍を認められ、メジャー挑戦を目指したものの、実現しなかった。
「2年前は直球が常時150キロを超えていた。今の140キロそこそこの球威で変化球を駆使する投球では、大リーグ挑戦は難しいかもしれません」(高橋氏)
菅野は昨オフ、「諦めたわけじゃないけど、いったん封印して目の前の試合に集中する」と今季に臨んでいるが、「軟投派」にモデルチェンジして勝ち星を稼いでも、大きな「夢」は遠のきそうである。