<31>今村監督は保安検査場で毎回「ピンポン」 私が出会った海外遠征事件簿
ズドーーン!
号砲は本来、「パン!」と軽い音のはず。辺りは騒然となった。普段、練習で使っているものとは明らかに違う音。しかもドーム状のリンクだったので、銃声がハウリングして轟音になり、事件かとザワついた。
監督は現地のベルリンでオモチャのリボルバー式のエアガンを買っていたらしく、それを私のスタート練習でいきなり撃ったのだという。本物の拳銃のような迫力で、他の海外チームからは「オ~、ジャパーン! オサダ、クレージー!」の声。長田監督は一瞬で世界に知られる存在となった。