ロシアでは五輪メダリストに軍への召集令状が…スポーツ大国いよいよ崩壊秒読み

公開日: 更新日:

 強力な後ろ盾のもと、現役引退後も地位が保障される。メダルを取れば高級車や豪邸、執事など贅沢な生活を与えられ、政界幹部やスポーツ界の中枢の地位を約束される者もいる。

 しかし、そうやって懐柔してきたアスリートたちの「エリートコース」も、軍への動員によって有名無実化しそうだ。ただでさえロシアの選手は、国家ぐるみの組織的ドーピング問題により、多くの競技で国際大会への出場が制限されている。選手たちがプーチン大統領に配慮したり、肩入れしたりする理由がなくなったといっていい。

 実際、プーチンに近いスポーツ組織の幹部による国外逃亡も起き始めた。ロシア国営通信社「タス通信」によると、ロシアオリンピック委員会(ROC)のアナスタシア・ダビドワ事務局長(39)が国外逃亡したという。同氏はアーティスティックスイミングで04年アテネ、08年北京、12年ロンドンの五輪3大会で計5個の金メダルを獲得したロシアのスター。その実績から、30代にしてROCの事務局長に就任した超エリートだ。

 女性かつ39歳という年齢ではあるものの、軍への動員を恐れて脱出したとの見方もあるという。「ROCのエリート幹部が国外へ逃げ出すくらいですから、スポーツ界の地盤が揺らいでいることは確か。ただでさえドーピング問題が未解決の状態が続く中、アスリートにとってロシアにいることはマイナスの方が大きい。スポーツ大国崩壊へのカウントダウンが始まったということでしょう」

 とは、ロシア事情に詳しいメディア関係者だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ