司法書士 桧山泰浩(3)近鉄時代の後悔「プロ4年目の本塁打被弾で野球人生が終わった」
司法書士 桧山泰浩(55歳・近鉄→韓国プロ野球)
司法書士として福岡市内に「桧山泰浩司法書士事務所」を構えること26年。仕事は順風満帆だという桧山氏だが、現役時代には心残りがある。
東筑高(福岡)から1985年のドラフト1位で近鉄に入団。高卒選手は入団直後、プロのレベルの高さに衝撃を受けて打ちのめされることもしばしばだが、桧山氏は違った。
「近鉄に入ってからの第一印象は『やれる』でした。変に自信めいたものがあったんです。レベルの違いは感じたけど、そのうち克服できるだろうと。これが甘い見積もりだったのかもしれません。最初のうちに『やばい』と思う人ほど努力するから。今振り返れば、私の現役時代は努力が足りなかったと思います」
プロ4年目のオープン戦で日本ハムから1勝を挙げ、プロ野球人生に弾みをつけたつもりだったが、次戦の中日戦で2者連続本塁打を被弾。心が折れた瞬間だった。
「僕の野球人生はここで終わったようなものでした。プロの壁は想像していたよりも高いと気付いたんです。4年目に急に取り組み方を変えようと思っても無理だった。本当は越えないといけない壁を、もう越えられなくなっていた。厳しいな、もう無理だなって。限界を悟り、プロ5、6年目は惰性でやっているようなものだった。そうこうしているうちに、同期や後輩が一軍に上がって行く。悔しさがなかったといえばウソになります」