元広島投手の川端順氏が北別府学さんを悼む 十八番の「『アメリカ橋』と『心凍らせて』をハモってくれと言われ…
その後、ひばりさんから「あなたたち来なさい」と私と川口和久に声がかかり、北別府さんとゲイバーに入った。ひばりさんは「お祭りマンボ」を歌ってくれた。ひばりさんの生歌が聞けるなんて北別府さんのおかげ。北別府さんは酒豪だが、誰かに絡んだりはしない。きれいな飲み方をする人だった。
ゴルフの腕前もカープで一番だった。現役時代は75~80で回っていたが、フェアウエーが狭ければドライバーを持たずに3番ウッド。風が強い日は影響が少ない低い弾道で攻める。常にコースマネジメントを考えながらプレーをする。まるでプロだ。だから、北別府さんと回ると昼食時以外で会話がない。
私はドライバーで300ヤード飛ばしたいとか、会話をしながらワイワイ回りたいタイプ。だから、ゴルフだけはストイックな北別府さんと回りたくなかった。緻密なところが投球スタイルと似ていた。
一緒に投手コーチをやっていた頃、多くのことを教わった。勢いで押すタイプではなかったから、基礎を大事にしていた。印象深かったのは「エースの心得」だ。
「連敗してはいけない」