松山英樹のプレースタイルに変化が 全英OPでは“円熟味”増した戦いぶりを披露
私は1990年大会(セントアンドルーズ)で経験しましたが、リンクスでは無風からいきなり突風が吹き出すことがあり、強い雨が降って、気温が急に下がるなどコースがいきなり違う表情を見せます。無風では、「なんでこんなところにポットバンカーがあるのだろう?」とドライバーで楽々と超えても、アゲンスト風が吹き始めると超えられず、すごいプレッシャーになります。
ハーマンは天候が穏やかだった2日目の午前スタートで65の猛チャージをかけて単独トップに立ち、天候が崩れ始めた3日目以降はしぶとく耐えました。攻守をうまく使い分けていたのです。
今大会には日本勢9選手が出場しましたが、7選手が予選落ち。メジャーで戦う力がないのではなく、そもそも一日に四季があるといわれる本場リンクスでの経験不足が大きい。攻め方を一つ間違えるとスコアにならないことを学んだのは大きな収穫といえるでしょう。
9度目出場の松山英樹は目指したトップ10入りこそ逃しましたが、13位フィニッシュ。
プレー中は険しい表情が減り、穏やかで余裕すら見えました。20代のころはドライバー飛距離やショット精度を求めてがむしゃらにプレーしていましたが、31歳のいまはプレースタイルに変化が見られます。PGAツアーに本格参戦して10年目になり、マスターズを含むツアー8勝を挙げており百戦錬磨です。