著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

米国で貧しい子はプロ野球選手になれない…エリート選手育成ビジネス隆盛の“負の側面”

公開日: 更新日:

 パーフェクトゲーム社が商売上手なのはその一方でトーナメントの成績をもとに「年齢別全米ランキング」も発表していることだ。それには各年齢の500~600人の選手がランクされ、トーナメントの成績によって順位が頻繁に上下する。そのため、選手は順位を落としたくないばかりに、他のスポーツを犠牲にして年間を通して野球をやることになるのだ。

 問題なのはショーケースリーグのトーナメントに参加するには2000~3000ドル(約30万~45万円)の参加費が必要になることだ。夏だけでなく秋にも参加すれば年間4000~6000ドルかかる。その結果、米国で貧乏人の子供はプロ野球選手になれなくなり、1980年ごろは20%を超えていた米国黒人の比率は7%前後に減少した。

 極端な「青田買い」の横行も問題になっている。「パーフェクトゲーム社」のU14全米ランキングを見ると、トップ10にランクされている10人のうち5人の大学進学がすでに決まっている。もちろん奨学金付きである。強豪大学は有望選手の確保にしのぎを削っているが、現在は9歳から年齢別のランキングが発表されるため選手の品定めが容易になり、4年後に大学生になる者に、臆面もなく入学の裏約束をするようになったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった