著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

米国で貧しい子はプロ野球選手になれない…エリート選手育成ビジネス隆盛の“負の側面”

公開日: 更新日:

 高校ナンバーワン打者の佐々木麟太郎がNPBのドラフトを拒否し「米国の大学に野球留学する」という。

 ひと昔前はアマのトップ選手による「米国野球留学」などあり得ないことだった。米国の高校・大学では厳格なスポーツ3シーズン制がとられていて秋はアメフト、サッカー、冬はバスケットボールアイスホッケー、春は野球、陸上競技ゴルフとシーズンごとにやるスポーツが決まっているからだ。身体能力の高い者は2~3のスポーツを掛け持ちするのが一般的で、メジャーリーグのスターたちは、他のスポーツでも優秀な選手だった。

 しかし、最近は様変わりして、一年中野球をやる者が多くなった。米国では中高年の男性に人気がある野球も、10代の若者の間ではバスケやアメフトほどではない。なのに、なぜそのような現象が起きるのだろう?

 それは「パーフェクトゲーム社」に代表される野球のエリート選手育成ビジネスが隆盛を極め、一年中、全米でショーケースリーグの年齢別トーナメントが開催されるようになったからだ。

 ショーケースリーグには多数のMLB球団や大学チームのスカウトが視察に来るため、「強豪大学に進んでドラフトで上位指名を受ける」というコースを夢見るものにとっては、実力をアピールできる格好の場であり人気が高い。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…