昨年まで6年連続負け越しだったレンジャーズが世界一になったカラクリ

公開日: 更新日:

 やや乱暴な言い方をしてしまえば、球団のフロントスタッフである。もちろん実際にフィールドでプレーし、結果を残すのは選手だ。ただ大枚をはたいて実力、実績とも申し分ないスターを何人集めようと、彼らがフィールドで結果を残さなければチームは勝てない。それはニューヨークをホームとする2つのチームを見れば言うまでもない。

 何よりもまずチームのキャラクターを確立、どのようなチームに作り上げるのかという方向性を決定、そこに見合った選手たちを獲得する。そうやって獲得した選手を育成し、チームのコア(中核)とする。

 レンジャーズのクリス・ヤングGM(写真)は2020年12月の就任以来、周りを驚かせるようなスター選手との大型契約や補強を連発、チームの指揮官に引退していたブルース・ボウチー氏を担ぎ出した。ヤングGMの手腕に「我々は今勝つべきチームだ!」という強い信念と自信が備わり、結果としてワールドチャンピオンという大きな報酬を得た。

 今シーズンからヤングGMを支えたデイトン・ムーア特別顧問の存在も大きかった。昨シーズンまでロイヤルズのGM兼編成責任者を務め、14年、15年とロイヤルズが2年連続でワールドシリーズに進出(15年はワールドチャンピオン)した際、チームを立て直した功績が認められている。ヤングGMは当時、ロイヤルズの先発投手としてワールドチャンピオンに貢献している。

 強いチームは実は、こうした人間くさい、ゆえに一枚岩となることができる生産性の高い人間関係がつくり上げるのかもしれない。=つづく

(米紙コラムニスト=ビリー・デービス)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…