東京五輪代表・大迫傑の持論が“暗示”…マラソンが真夏の五輪で廃止される現実味
というのも、マラソンが五輪で廃止される可能性があるからだ。
「廃止」で記憶に新しいのは、男子の50キロ競歩だ。コロナ禍の2021年に開催された東京五輪を最後に五輪から姿を消した。1932年のロス五輪から採用された歴史ある種目が嫌われた理由は、「男女両方の競技ではない」「ルールがわかりにくい」「温暖化により真夏の長時間レースは過酷」などといわれたが、「4時間弱という競技時間の長さはテレビ中継に向かないことが大きい」(アマスポーツの団体役員)との声もある。
その点から言えば、約42キロもロードを走る真夏のマラソンもしかりだ。レース会場を札幌に移した東京五輪では服部勇馬がふらふらになって2時間30分8秒の73位でゴール。直後に倒れ込み、車いすで医務室へ。深部体温が40度以上の重い熱中症だった。
2時間を超えるレースも、マラソン好きには給水所や坂道などで仕掛けられるアフリカ勢の駆け引きなども面白みのひとつだが、見ていて盛り上がりに欠けるのも事実。国際オリンピック委員会(IOC)では、マラソンより距離が短く、ゴールまで30分もかからないトラックの1万メートルでさえ五輪種目からの除外が検討されたこともあるという。