柔道ウルフ・アロン「誤審」「不可解判定」「AI審判」「やらせ疑惑」をとことん語る
AI審判だと「投げて終わる試合がなくなっちゃう気もします」
──審判はあえて、指導を出すタイミングを見計らっていると。
「試合は、指導が入るタイミングによって、もう攻めなきゃ、攻めなきゃというので技の掛け合いがあったりして、出来上がっていくものでもある。AIがジャッジすると、何秒間片襟を持ってるから、待て、指導みたいになるでしょう。反則か否かを秒数で判断して、もう指導3つなの? という感じになるかもしれません」
──そうなると、試合の面白みがなくなります。
「試合は選手がつくるものなんですけど、審判がつくっている部分もある。東京五輪で(延長9分35秒の)決勝を戦ったときなんて、相手の趙グハム(韓国)は延長に入って2つ目の指導をもらったあと、全く指導が行かなかった。審判の中で最後は(どちらかが)投げて決めさせたい、という部分があったと思うんです」
──人間が判断するからこそ、真の勝負につながるわけですね。
「ある程度は審判が試合をコントロールするというのも大事だと思います。AIだとたぶん、投げて終わる試合がなくなっちゃう気もします」
──機械判定でいうと、フランスとの団体決勝のデジタルルーレットも「やらせ」ではないかと物議を醸しました。
「来たな、とは思いましたね(笑)。決まった組み合わせについてどうこうはないですけど、試合の判定は人間がやってるのに、なんでそこだけ機械なの? っていう(笑)。箱の中からクジを引いた方が、よほど面白いと思いましたね」(この項おわり)