著者のコラム一覧
安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

東海大相模・藤田琉生 打者をヘッドアップさせるリリースポイントの「あり得ない高さ」

公開日: 更新日:

 独特の2段モーションが身に付いて、左足一本でまっすぐ立てていた。

 全身を躍らせるようにして、高いリリースポイントから投げ下ろし、いかにも気分よさそうに、自信の表情で強豪校の強力打線相手にも臆せず向かっていく。

 捕手のすぐ後ろから見ると、リリースポイントがあり得ない高さ。構えた打者を打つ前からヘッドアップさせているのだから、すでにもう半分勝っているようなものだ。

 速球は、ホップ成分抜群のすばらしいバックスピン。低く、低く……の意識がいい。あの角度で低めを突かれたら、打者は高さがわからない。

 カーブがえげつない。

 一度ホップしてから、ものすごい角度で地面に突き刺さってくるような強さとスピードを併せ持つパワーカーブで、空振りを奪って三振の山を築いてきた。

 日本のプロ野球界で大成した前例がない超大型左腕。ただし、投げるだけじゃない。牽制ができて、クイックもまあまあ、バント処理のフィールディングなんて内野手のよう。「サイドメニュー」も、ちゃんと兼備しているという意味でも前例がない。

 育成のノウハウがないのは、どの球団もいっしょ。オレが面倒見るから、あのでっかいサウスポー、取ってきてくれ! そんな気概のある指導者のいる球団とご縁が結ばれることを、切に願ってやまない。

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