MLBが「国際ドラフト構想」でひっそり進める日本のアマ選手「青田買い」のシナリオ
有力な高校生や大学生が契約金の上積みを狙って、米国内でも中南米諸国など第3国に国籍を変更して各球団と自由に交渉可能なドラフト指名逃れも横行。本来であれば平均約7億4000万円で獲得できる1巡目クラスの選手でも、国籍を変えることで、2倍近い契約金を手にするケースが少なくないのだという。
今回、MLBが国際ドラフト導入を改めて検討している背景のひとつに日本人選手対策もある。今オフは、ロッテ・佐々木朗希がポスティングシステムでメジャー移籍を表明しているが、ここ数年はドジャース・大谷翔平(30)の活躍もあって日本人バブルに沸いているからだ。22年には吉田正尚(31)がレッドソックスと5年126億円、23年には千賀滉大(31)がメッツと5年110億円で、それぞれ大型契約した。
NPBで実績を残した選手を高値で契約するよりも、契約金が安価で済むドラフトで将来性のある高校生、大学生の青田買いを目論んでいるのだ。
MLBは市場拡大を図るため、野球の国際化を進めており、多くの国・地域で選手の発掘を行っている。国際ドラフトの実施が正式に決まれば、メジャーの選手供給源である日本のアマ選手が挙って流出することにつながりそうだ。