「男と女の新しい関係」を指南する4冊の本
「不倫」パウロ・コエーリョ著 木下眞穂訳
「アルケミスト-夢を旅した少年」など世界的ベストセラーを持ち、スピリチュアル性の高い作品に定評がある作家が、霊的世界とは無縁の題材に挑んだ意欲作。
主人公のリンダは幸福を絵に描いたような生活を送っている。優しい夫は長者番付に名を連ねる実業家で、かわいいふたりの子どもにも恵まれた。リンダ自身も名の売れたジャーナリストの仕事を続けている。不満などあるはずのない人生だが、ある作家への取材で「幸福になることには一片の興味もない。それよりも情熱的な人生を選ぶ」という言葉を聞いてから、穏やかな人生に疑問を抱くようになってしまう。
そんなとき、野心的な政治家で、高校時代の恋人だったヤコブと偶然の再会を果たし……。
不倫に踏み出すことで成長する女性の姿が生々しく描かれ、男としては心がざわつく物語だ。(KADOKAWA 1800円+税)