「レッド・プラトーン」クリントン・ロメシャ著、伏見威蕃訳
2009年、アメリカ陸軍はタリバンと戦うためにアフガニスタン北東部山岳地帯の谷に戦闘前哨基地を構えていた。10月3日早朝、本部小隊のジェイムズ・スタンリー2等軍曹とニコラス・ディヴィッドソンは不審な様子に気づいた。武装した数十人の男が村のあちこちの建物を足早に出入りし、普段、拳銃しか持っていないアフガニスタン治安警備隊の指揮官がAK―47を携帯している。無線連絡しようと送信ボタンを押したとき、周囲の山々から炎が噴き出した。約300人の反政府武装勢力が迫撃砲、狙撃砲、対空機関銃など、あらゆる火器で攻撃を開始したのだ。アフガニスタン戦争で最も過酷なカームデーシュの戦いを描くノンフィクション。
(早川書房 2500円+税)