「石破茂の『頭の中』」鈴木哲夫著
日米安全保障条約は、普通の同盟の「お互いに守り合う」という形にはなっていない。アメリカは日本を守り、日本はアメリカに領土を提供しているが、お互いに不満をもっている。そういう同盟は不安定さを内包していると気づくべきだ。安倍晋三は、現段階では現状の枠組みのまま、同盟を強化することが日本のためだと考えている。
だが、石破はもう一歩踏み込んで、例えばグアムに海上自衛隊の恒常的な基地をつくり、「日米地位協定」を相互的なものとして見直したらどうかと考えている。2014年に防衛大臣就任を辞退したのは、その問題で「内閣不一致」を避けるためだった。フジテレビ報道センター政治部にいた著者が、石破茂の「頭の中」を取材。
(ブックマン社 1600円+税)