「黒い豚の毛、白い豚の毛」閻連科著、谷川毅訳
鎮長が運転する車が若者をひき殺してしまった。劉根宝はそれを聞いて、県の交通隊に行って「私がやりました」と名乗り出て、鎮長の代わりに牢屋に入ろうと考えた。他にも鎮長に恩を売りたい者がおり、クジで決めることに。
2つのクジには白い豚の毛が入っているが、1つだけ黒い豚の毛が入っている。根宝が引いたのは白い豚の毛だった。家に帰ると東隣のおばさんが、離婚した自分のいとこが、根宝が鎮長の代わりに牢屋に入ると聞いて、結婚してもいいと言ったという。「ピチピチの柔肌」だと聞くと、根宝は当たりくじを引いた柱子のところへ行った。そして、鎮長の身代わりを俺に譲ってくれと頼んだ。(表題作)
ノーベル文学賞候補作家の自選短編集。 (河出書房新社 2900円+税)