「ダ・ヴィンチ、501年目の旅」布施英利著
2019年に没後500年を迎えた「万能の天才」レオナルド・ダ・ヴィンチの魅力と秘密を探るべく、世界各地の美術館やゆかりの地を巡るアート紀行。
2005年、修復を終えた「最後の晩餐」と対面。そのときの著者は、ダ・ヴィンチがこの絵を描いたときと同じ45歳だった。これまでも何度か見てきたが、剥落が絶妙な効果を生み出し、長い年月を経て天才が構想したであろう画面の配置・構図がくっきりと見えるようになったという。この21世紀の「最後の晩餐」こそ、もしかしたら本当の「最後の晩餐」かもしれないという。
そのほか、フィレンツェにある「受胎告知」から、ロンドンの「岩窟の聖母」、そしてパリの「モナリザ」まで、美術・解剖・工学の視点から作品を読み解き、その美の本質に迫る。
(集英社インターナショナル 920円+税)