「彼女が知らない隣人たち」あさのあつこ著
10年前、三上咏子は白梅林団地に家を建て引っ越してきた。夕焼けの風景に見とれていると、子どもの頃、バカ、くず、死ねとののしられた日々が蘇る。だが、今は夫と2人の子との平和な生活だ。
ある日、ママ友から電話がきた。駅近くの大型商業施設「スカイブルー」で白い煙が上がって、爆発騒ぎが起きたという。塾から帰宅した息子の翔琉(かける)は、あれはテロだと言ってにやりと笑った。翌日、今度は図書館で爆発騒ぎが起きる。咏子の勤務先の鳥鳴縫製所にはベトナム人実習生クエがいる。真面目でしっかりした人なのに、クエが爆発に関わっているのではないかと噂が立つ。
平穏な日々を脅かされる主婦の物語。
(KADOKAWA 1760円)