「歌舞伎の中の日本」松井今朝子著

公開日: 更新日:

「歌舞伎の中の日本」松井今朝子著

 かつて歌舞伎の企画・制作に携わっていた直木賞作家による入門書。

 現在上演されている歌舞伎は、膨大なレパートリーの中から、各時代の観客によって淘汰されたものである。歌舞伎を見れば、先人たちがどのようなストーリーやシチュエーション、表現方法を好んだかが分かる。さらに時代ごとの文化や風俗が巧みに取り込まれており、歌舞伎を見ることは、私たち日本人を知ることにほかならないと著者はいう。

 本書では、17世紀中ごろに作られた「暫」に始まり、幕末の「三人吉三廓初買」まで歌舞伎を代表するレパートリー10演目を成立年代順に取り上げ解説。それぞれの成立の過程や当時の観客の受け取り方を探り、日本人のセンスやメンタリティーを再確認しながら、その魅力の神髄に迫る。

(集英社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末