「獣の夜」森絵都著
「獣の夜」森絵都著
美也の35歳の誕生会の日、夫の泰介が仕事のトラブルで迎えに行けなくなり、代わりに同級生の紗弓が迎えに行くことになった。美也は今夜は泰介と夫婦でディナーを楽しむつもりでいるが、実はサプライズで元のサークル仲間が集まっている。そもそも泰介は大学時代に紗弓と付き合っていたのに、うまくいかなくなって美也と付き合いはじめ、結婚することになったのだ。
この日は鎌倉野菜が売りのイタリアンレストランを予約しているのに、美也は「野菜よりも焼き肉、食べに行かない?」と言い出した。美也の家の近くに焼き肉屋が新店舗を出したというのだ。(表題作)
ありふれた一日が揺らぐ瞬間を描く7つの短編。
(朝日新聞出版 1760円)