「大学教授 こそこそ日記」多井学著
「大学教授 こそこそ日記」多井学著
大学卒業後、銀行勤務などを経て、S短大専任講師になった著者は、カナダの大学院で同期だった吉崎博士に勧められて地方国立大のT大の公募を受けて、専任講師の職に就くことができた。地の底から天国への階段を上ったようなものだ。S短大時代と違って個人研究室が与えられ、銀行員時代にイメージしていた「大学教授」の環境を手に入れたのだ。
翌年には晴れて助教授に。ある日、学部教授会でニッキョウ派のドン、井田教授が、翌年度のカリキュラムに対し、自分たちの派閥を優遇するような改編案を提示。保守派の永森教授がバランスの悪さを指摘すると「バカヤロー」と怒鳴った。
大学教授の優雅じゃない日々を描く。
(三五館シンシャ 1430円)