「夜の人々」エドワード・アンダースン著 矢口誠訳
「夜の人々」エドワード・アンダースン著 矢口誠訳
オクラホマの刑務所で服役中だった27歳のボウイは、所内で知り合ったTダブとアメリカ先住民のチカモウと脱獄。最初に身を寄せたチカモウの親戚宅でボウイは、その家の娘キーチーと知り合う。
やがてボウイは、銀行強盗の常習犯のTダブとチカモウとともに銀行を次々と襲っていく。ボウイは彼らに仲間意識を感じながらも、彼らのようにはならないと心に決め、5000ドルを手にしたら足を洗うつもりだった。大きな銀行強盗が成功して大金を手にした3人だが、移動中に交通事故を起こし、チカモウが警官を射殺してしまう。
1937年に発表された本作は、あのレイモンド・チャンドラーが「これまで書かれた犯罪小説のなかで最高の一作」と激賞したアメリカ文学の知られざる傑作。
(新潮社 880円)