「チェリー」ニコ・ウォーカー著 黒原敏行訳
恋人のエミリーがカナダの大学に行きたいから、今の大学をやめたいと言い出した。「俺」も中退しようと思ったが、薬の飲み過ぎで単位が足りず、落第するはめに。軍隊に入って新兵(チェリー)になったが、歩兵中隊はめちゃくちゃ人を殺したがってるヤツばかり。イラクに派遣されて、特殊部隊がたった数分でイスラム教徒を40人殺したことを知った。
そのとき、自分たちは何か意味のあることをしに来ているのではない、と悟った。退役した後、ドラッグにはまり、ヤク切れになりそうだったので、ニット帽を目深にかぶって銀行に行った。店長は俺たちが何をしに来たのか気づいていた。
服役中の銀行強盗が書いた犯罪小説。トム・ホランド主演で映画化決定。
(文藝春秋 1950円+税)