一世風靡セピアで活躍の春海四方さんが名脇役になるまで
一世風靡セピア解散の翌90年に結婚した夫人にも助けられた。
「家内は大学時代に知り合った人で、ボクと結婚してからも、ずっとアルバイトをしてくれて。ボクも皿洗い、清掃、肉体労働……、何でもやりました。宅配の仕事をしたときは、お客さんに『あれ、一世風靡の……』と気づかれ、握手を求められたりして恥ずかしかった(笑い)。アルバイトをしなくなったのは40歳ぐらいになってからですね」
それまでに貯金はしていなかった?
「貯金はまったくなかったです。そんなにもらっていなかったですし。月給制で、デビューしてしばらくして、ボーナスで100万円をもらったものの、月給の一番いいときで50万円、最後は15万円ぐらいでしたから。でも、もともとお金が欲しくて路上パフォーマンスを始めたんじゃなくて、ただ何か面白いことがやりたくて、夢中になってやっていただけで欲はなかった。哀川翔ちゃんと柳葉敏郎さんは飛び抜けてキラキラしていて、振り返ると、仕事というより青春でしたね」
その青春をつづった「前略、昭和のバカどもっ!!」(KADOKAWA)を18年11月に上梓。