人斬りから妖艶なベビーシッターに 大野拓朗の怪演が話題
「女装した男性が主人公を演じるドラマといえば、確かに『家政夫のミタゾノ』が代表的ですが、前クールでは、日本テレビ系で古田新太が女装の教師を演じた『俺のスカート、どこ行った?』も放送されました。ミタゾノは家族の再生、俺のスカートは学校教育、ギンは子育てがテーマです。扱っている内容も違えば、描き方も違い、類似要素は主人公が女装家というだけ。そこだけにスポットを当てて『パクリ』だの『不憫だ』というのは無理があります」(ドラマ制作関係者)
■「家政夫のミタゾノ」とソックリという指摘も
ドラマ初回は、近所ではイクメンとして知られる夫が実は全く育児を手伝わず、育児ノイローゼ直前まで追い込まれた妻の元にギンが派遣されるところから始まる。お試し期間の一週間の間に、ギンが赤ちゃんの面倒だけでなく、夫婦間の溝もコーチングしながら改善していく様が描かれた。重いテーマと真正面から向き合い、説得力を持って物語が進んでいくが、暗くならないようにコメディーの要素もあり、見どころたっぷりだった。
「その中でも特に大野の演技は注目です。説明されなければ女性にしか見えないし、美しいだけじゃなく色気もある。しかも、英国仕込みという触れ込み通りの気品が立ち居振る舞いに現れています。ドラマの途中で唐突に、出演者全員が歌って踊るシーンもありますが、まるでハリウッド映画の『ララランド』や宝塚歌劇団のようで、楽しい。大野の歌も踊りも完璧です。大野はもともとカメレオン俳優としての評価も高く、様々な役柄を演じてきましたが、このギン役で新たな境地を開いたと思います」(芸能ライター・弘世一紀氏)