<3>ストリップ劇場回りは日給千円。芸能プロに3割取られ…
1966年からストリップ劇場に出演するようになったマギーは、持ち時間20分を持たせるため、マジックの合間におしゃべりをはさんだ。
「舞台に上がるなり、『僕のマジック、見たくない人、手を挙げてください。新聞と週刊誌配りますから』と言うと、ホントに手を挙げる客がいるんですよ。そういう人にスポーツ新聞と週刊誌を渡して、『後で返してくださいね。次のステージでも使うんで』と言うと受けるんです。『それじゃあマジックをやります。すいませんねえ』って始める。当時はよく謝ってました。『すいません。もうすぐ終わりますから』と言いながらネタをやってるうちに20分経つわけです」
ストリップを見に来た客も、芸人にここまで下手に出られたら無視できない。結果的に客が見てくれるようになった。
「ストリップ劇場を回ってる間に、マギー信沢というマジシャンに弟子入りして、ジミー司からマギー司郎と改名しました。師匠はネタは教えてくれるだけなんで、あとは全部我流です。落語家さんは師匠や先輩を手本にして真似から始めるけど、僕のマジックは手本がないの」