濱口竜介監督が証明する健全なワークショップの必要性、監督が俳優に教えるモノとは?
■「希望を与えるところ」濱口監督作品とワークショップ
この3作を観て私は、3月26日に開催された高崎映画祭授賞式にて『いとみち』(横浜聡子監督)、『偶然と想像』(濱口竜介監督)で最優秀助演男優賞を受賞した中島歩さんのスピーチを思い出しました。
彼は濱口監督とはワークショップで出会い、今回の『偶然と想像』に出演することができ、さらに先日他界された青山真治監督ともワークショップに参加したことから縁が生まれ、演劇作品を作ったとのことでした。
スピーチの最後には「ワークショップは映画を作りたい人、役者として成長したい人には希望を与えるところで、人権が守られ、健全な場所であるべきだ」と目に涙を浮かべて語っていました。
濱口竜介監督は精力的にワークショップを開催し、演技未経験者もワークショップ参加者の中からキャスティングしています。今回挙げた『親密さ』は映画・演劇の専門学校(ENBUゼミナール)の講師を務めた際に、俳優志望の学生達の卒業制作として作った作品です。