昨年保険適用 大動脈弁狭窄症の新治療法「TAVI」とは?
太ももの血管が細い人は、肋骨の間を小さく切開し、そこから生体弁を装着したカテーテルを入れる。後は、太ももから入れる場合と同じだ。
「TAVIなら心臓にメスを入れることもなく、心臓も止めないため、高齢で体力が低下していたり、ほかの疾患を併発している患者さんでも受けられる。入院期間は平均1週間。早い人なら3日で退院できます。開きが悪くなった弁が新しい生体弁に変わるので、手術直後から息苦しさなど全ての症状が消えます」
現在、TAVIは世界中で10万人以上に行われている。体への負担が少ない治療法とはいえ、脳卒中や血管破裂、大量出血などの合併症のリスクはあり、いち早くTAVIが行われているヨーロッパでは、術後30日間の死亡率は5%。ただし、TAVIを受けなければ、前述の通り2年で50%が死亡する。
「TAVIは開発されてから10年ほどと長期成績が確立されていないので、現段階では大動脈弁置換術が適応できない患者さんが対象です。当院では、内科、外科、麻酔科、エコー科、リハビリ科、看護師、臨床工学技士、放射線技師などからなるチーム体制で、患者さんにベストな治療法を選択しています」
全国25カ所の病院で行われている(2014年4月時点)。