材料を上回る分量の砂糖入り…「酵素ダイエット」の落とし穴
日頃から体に気を使い、運動を怠らず、健康にいいというネタがあれば取り入れる。おかげで世の中には健康情報があふれているが、はたして、何が正しくて何が正しくないのか。本当のところを探ってみた。
■「酵素ドリンクを飲んで痩せる」のウソ
野菜や果物、海藻、野草を発酵させ、ジュース分を飲んで痩せる「酵素ダイエット」。「代謝に欠かせない酵素を取り込めば、痩せやすい体になる」として注目されている。家庭でも作れる上、「酵素ドリンク」「酵素液」などの名前で市販されている商品も多い。有名人も実践しているといわれているが、落とし穴もある。
「酵素ドリンクをつくるには、材料を上回る分量の砂糖を使います。そのため、普段通りに食事をしながら酵素ドリンクも飲んでいると、逆に太ってしまうことになりかねません」(則岡孝子氏)
そもそも酵素はタンパク質。口から摂取した場合、肉や魚のようにアミノ酸に分解されてから吸収される。酵素のまま体内に取り込まれるわけではないのだ。だから、薄毛の人が髪の毛を食べても髪の毛が生えないのと同じで、酵素を食べたからといって酵素が増えて代謝が活発になるとは限らないのである。代謝がどうのこうのというよりも、食事の代わりに飲むことで摂取カロリーを減らし、痩せるというメカニズムのようだ。