筋肉や骨に悪影響も…間違った「断食」が将来の肥満に繋がる
■「断食でぜい肉をそぎ落とす」のウソ
人間は光合成ができない。食べなければエネルギーを補給できず、痩せていく。
30日間の「不食」を実行して話題になった俳優の榎木孝明は、体重が9キロも減ったという。もともと太っているわけでもなく、そこからさらに削られたため、まるで末期のがん患者であるかのようにガリガリになっていた。
まあ、そこまで極端に制限しなくても、食事の全体量を大幅に減らせば、体重は減るものだ。ただし、エネルギーの補給を断たれた体は、筋肉や骨を“消費”して必要な分を賄おうとする。これが厄介な問題を引き起こしかねない。
「最近はサルコぺニア肥満が問題視されています。年を取って運動をしなくなると筋肉量が減り、エネルギーが消費されず、余剰分が脂肪となって太っていくタイプの肥満。見た目はそれほど変わらないのに、加齢とともに筋肉が脂肪に取って代わっていくというものです。高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めるとされる。ダイエットによる筋肉量の減少は、将来のサルコぺニア肥満につながりかねない。予備群に仲間入りすることになります」(健康ライター)
痩せようと努力したことが、実は肥満の引き金を引いているかもしれない。