理想は自然死 飲まず、食わず、悔いず 眠るように
例えば、胃瘻です。病院は口から食べ物を取れなくなると、胃瘻や中心静脈栄養法などで、機械的に無理やり栄養や水分を補給しようとします。しかし、「年寄りは食べたり、飲んだりしないから死ぬ」のではなく、「体が吸収できないから食べない、飲まない」のです。余分な水や栄養の補給は苦しみにしかなりません。
そもそも、寝たきりの人にどのくらいの栄養分が必要か、明確な科学的なデータなどないのです。
胃瘻を作る理由として「誤嚥性肺炎を起こさないため」と言う人がいます。しかし、これは間違いです。胃に直接に栄養を入れる胃瘻でも、消化し切れない栄養が食道を逆行し、誤嚥性肺炎を起こします。
自然死の遺体は白く細身で美しい。一方、病院で延命の末に亡くなった遺体は両腕に点滴針の黒ずみが残り、体全体が白くぶよぶよしています。私には、見た目の差は苦しみの差としか思えません。
では、自然死はどのようなプロセスをたどるのでしょう? 人は年を取り体が衰えてくると「移動」「排泄」「摂食」の能力が落ちていきます。