自然な歩行も可能に 「義肢」の性能はここまで進化した
「健常者と同じ、いや、それ以上じゃないか」――。リオのパラリンピックで活躍する選手を見て、希望を持った人も多かったのではないか。実際、今回のリオ・パラリンピックの「陸上走り幅跳び」で、金メダルを獲得したマルクス・レーム選手(28)の記録は8メートル21センチ。これは健常者の金メダル記録8メートル38センチ(米国人)とわずか17センチの差しかない。それを支えたのが義肢だ。その技術はどこまで進化しているのだろうか。
レーム選手は2003年、ウェイクボード(水上スキー)の練習中に右足膝下を切断。以来、義肢になった。
日本の場合、こうした下肢切断は、「年間約1万人」(「日本下肢救済・足病学会」=東京・新宿)という。
公益財団法人鉄道弘済会「義肢装具サポートセンター」(東京・南千住)の臼井二美男・義肢装具研究室長は、リオ・パラリンピックの開催中、選手たちの義肢サポートに奮闘してきた。
「あのような義肢を利用した選手の活躍が世界中に発信されたことは、身体障害者にとっては大変な励みになったでしょうね。中には“私もやってみたい”と希望を抱く人が出てくると思いますよ」(臼井室長)