著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

治療しない選択肢も 平尾誠二氏の命奪った胆管がんの知識

公開日: 更新日:

 ラグビー界の宝・平尾誠二さんの命を奪ったのは、胆管細胞がんでした。まだ53歳と若く、2019年のラグビーW杯日本大会の成功に向けて突っ走っている最中の訃報にファンならずとも、ショックを受けたことでしょう。

 一般にはなじみの薄いこのがんは、医学的に肝臓がんに分類されます。昨年、女優・川島なお美さんと柔道家・斉藤仁さんも、同じがんで帰らぬ人となりました。2人とも54歳。平尾さんのケースとダブります。

 胆管は、肝臓からすい臓を経由して十二指腸に胆汁などの消化液を運ぶ6~8ミリほどの管で、肝臓の内部と外部に分けられ、胆管細胞がんという場合は主に肝臓内の胆管にできた腫瘍を指し、肝臓の外にできた腫瘍の肝外胆管がんと分けられます。胆管細胞がんというと、肝臓がんのひとつと考えるのです。

 胆管と肝臓や十二指腸などとの位置関係や管の細さから、お腹のエコー検査では見つけにくい。それで発見が遅れると、胆汁が排出されにくくなって逆流するため、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなる黄疸が表れます。体重の急激な減少や背中の痛み、腹部の腫れ、みぞおちの痛みを伴うことも珍しくありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ