【変形性膝関節症】年明けの手術をついに決断
東京・清瀬市に住む専業主婦、高橋咲子さん(仮名、65歳)の下駄箱には、数本の杖が用意されている。雨傘の数よりも多い。
20年前に「変形性膝関節症」と診断されて以来、加齢に伴って症状が次第に悪化。数年前から歩行に杖を利用するようになった。
近所のホームセンターで求めた杖は1本2000円前後。大腿骨(膝より上の骨)が内側に倒れて足がO形に変形し、杖なしでは歩行が困難になったためだ。
数年前、家族旅行に行ったのが最後で、もうほとんど遠出をする元気がない。
それでも年に3回ほど、親しい学生時代の友人に会うため、最寄りの駅から乗り換えなしの地下鉄で横浜まで足を運ぶ。
「同じ年齢なのに、友達は待ち合わせ場所に小走りで来ます。私は杖を片手にのろのろと歩きながら近づく……。恥ずかしくて、みっともない……」(高橋さん)
この20年間、思いつく限りの保存療法はすべてやった。治療のため通院した病院も数え切れない。