運動習慣がない人が始めるべきは“ケガ軽減”エクササイズ
体が重い――。こう感じた経験がある人は多いだろう。原因は「筋力の少なさ」だ。
「筋力」とは、物を持ち上げたり、支えたり、引っ張ったりする「筋肉が発揮できる力」を指す。基本的に、筋力は筋肉量と一致している。
「しかし、慢性的な症状やストレス、運動不足などがあると、筋肉量と筋力が一致しません。つまり、もともと持っている筋肉をしっかり使えず、筋力が出ないことで体を支えられないのです。すると、体重にかかわらず、体が重い、だるいと感じるのです」
こう話すのは、「セラピー&フィットネスViPro」の早川庫輔氏(理学療法士)。先日開催された「更年期と加齢のヘルスケア学会」のセミナーでのことだ。
筋力低下の直接の原因は、背骨のバネのようなしなやかさが失われていることにある。運動は健康維持に欠かせないが、運動で力を出すと、同じだけの力が体に返ってくる。それをしなやかな背骨が吸収することで運動が成立する。
ところが、背骨の働きが落ちて吸収力が低下すると、筋力を出さないように脳が制限をかける。吸収できる範囲以上の力がかかるとケガをするからだ。筋力が制限されたまま運動をしても効果が出づらく、そのまま無理に行おうとするとケガのリスクが高くなる。