仕事の合間に女性の谷間に顔をうずめて突然死したい

公開日: 更新日:

 ところが最近の医療は、最新医学や治療成績にとらわれすぎ。生きる悲しみに寄り添い、人間の尊厳をサポートする部分が抜け落ちています。

 ある患者さんは何年も抗がん剤治療を受け、へとへとになって私のところに来ました。「よく頑張ったね」と言うと、「大変でした」とうなずきながら、こんな話をしてくれたのです。

「主治医に『抗がん剤をいつまでやるんですか』と聞くと、『死ぬまで』と言われました。そういう言葉が日常茶飯事で……」

 明日のことはわからず、新しい治療法が登場するかもしれない中で、「死ぬまで」というのは、医師として非常に悲しい言葉だと思います。

 抗がん剤を拒否する患者さんも少なくありませんが、抗がん剤自体に対する嫌悪感より、冷たい言葉を平気で投げかけてくる医師や、ほっと温かい気持ちになれないシステムに耐えられないからでしょう。

 人間は必ず死ぬのであり、どんな治療も生命を永遠に延ばせるわけではありません。戦争に例えれば、武器だけの戦いではなく、武器を使う司令官、兵士、参謀などさまざまな要素が集まり、効果を上げていく。治療効果を最大限に延ばすには、医療スタッフが患者さんへ寄り添い、ほっとした気持ちでいてもらうことが不可欠だと思うのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    松坂桃李「御上先生」は連ドラの“勝ちパターン”を外してしまった? 1ケタ陥落で疑われる《失速と中だるみ》

  3. 3

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 4

    なぜオリ山岡泰輔だけが名前を晒されたのか…SNSでは「不公平」「一律公表すべき」の声

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 異例の「マイナー相手に実戦登板」で見えた首脳陣の痛恨トラウマ

  1. 6

    大河「べらぼう」で横浜流星を食う小芝風花“瀬川”大好評も 迫る「身請け」危機…視聴率ついに1ケタ台突入

  2. 7

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 8

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  4. 9

    “選挙のプロ”立花孝志まさかの凡ミス赤っ恥…第一声「神戸→船橋」急きょ変更のお粗末

  5. 10

    岡田将生『御上先生』での悪役ぶりが好評 顔面美を生かした怪演で俳優としての地位確立