仕事の合間に女性の谷間に顔をうずめて突然死したい
ところが最近の医療は、最新医学や治療成績にとらわれすぎ。生きる悲しみに寄り添い、人間の尊厳をサポートする部分が抜け落ちています。
ある患者さんは何年も抗がん剤治療を受け、へとへとになって私のところに来ました。「よく頑張ったね」と言うと、「大変でした」とうなずきながら、こんな話をしてくれたのです。
「主治医に『抗がん剤をいつまでやるんですか』と聞くと、『死ぬまで』と言われました。そういう言葉が日常茶飯事で……」
明日のことはわからず、新しい治療法が登場するかもしれない中で、「死ぬまで」というのは、医師として非常に悲しい言葉だと思います。
抗がん剤を拒否する患者さんも少なくありませんが、抗がん剤自体に対する嫌悪感より、冷たい言葉を平気で投げかけてくる医師や、ほっと温かい気持ちになれないシステムに耐えられないからでしょう。
人間は必ず死ぬのであり、どんな治療も生命を永遠に延ばせるわけではありません。戦争に例えれば、武器だけの戦いではなく、武器を使う司令官、兵士、参謀などさまざまな要素が集まり、効果を上げていく。治療効果を最大限に延ばすには、医療スタッフが患者さんへ寄り添い、ほっとした気持ちでいてもらうことが不可欠だと思うのです。