さらに「死亡」の数字に目を移すと、年齢調整死亡率は子宮がん全体で見ても、子宮頚がんだけで見ても、今世紀に入ってからほとんど変わっていないのです。それどころか実は1990年以降、多少の増減はあるものの、実質的にはずっと一定のままです。
この間に子宮がん検診の受診者は急増しています。正確な統計がある2007年には「過去1年間に検診を受けたことがある40歳以上の女性」の割合は21・3%でした。これが13年には27・5%に上昇しています。その結果、新規患者数が増加したと考えられるわけです。ところが早期発見できても危険性の低い上皮内がんばかりなので、年齢調整死亡率の低下にほとんど寄与していないのです。