【熱中症】意識がない場合は水分は無理に飲ませない
「もうひとつのポイントは、自力で水分を飲めるかどうかです。たとえ意識がしっかりしていても、水分を『飲めない』『むせる』『吐いてしまう』場合には口からの水分摂取は禁物。病院での点滴が必要です」
これらの応急処置は、主に炎天下、屋外での発症を想定したケースだが、熱中症は屋内にいても起こる。気温が高くなくても湿度が高いと汗が蒸発しにくく、熱がこもりやすい。特に高齢者は汗をかきにくく、典型的な症状が出にくい。どうすればいいのか。
「夜中、寝ている間に汗をかいて脱水を起こしやすい。高齢者は、朝起きたときに元気がなければ熱中症の可能性があります。急激に容態が悪くなる恐れもあるので、疑いがあれば1時間に100~200㏄などと、時間と量を決めてこまめに水分補給をする。暑く感じなくても、クーラーなどで気温・湿度の管理をすることが重要です」
「かくれ脱水」の見極め方には「手の甲の皮膚を引っ張って離した後、3秒以内に戻らない」「親指を押して離した後、3秒以内に爪に赤みが戻らない」などがある。脱水のサインの目安になる。