がん手術を通算8回 黒沢年雄は「もうお葬式も済ませた」
結果として、僕は若い頃の夢を全部手に入れてしまったから、今はもう欲がありません。あえて言うなら、今ある仕事を大事にしたい。それだけです。莫大な借金もとっくに完済しましたからね。
それに何より、もうお葬式も済ませているんです。昨年、比叡山の阿弥陀堂で「生前逆修永代供養」というのをやりました。人に迷惑を掛けるのが嫌いだから……。死んでも通夜も葬式もしないし、偲ぶ会なんてやったら化けて出てやりますよ(笑い)。
僕のコンディションは今が一番いいです。週1回のペースでゴルフとテニスをして、合間にジムにも行って、あとは全部仕事。こんな73歳、ほかにいます?
▽くろさわ・としお 1944年、神奈川県生まれ。64年、東宝映画第4期ニューフェイスに合格し、66年の初主演映画「ひき逃げ」で一躍脚光を浴びる。俳優のほか、歌手、バラエティー番組、CMでも活躍。トークショー、ディナーショー、学園祭などの出演も数多くこなしている。著書に「二流の芸能人が、何度がんになっても笑って生きている理由」(講談社)などがある。